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株式分割

株式分割

株式分割とは、株式併合とは逆で、1株をいくつかに分割することです。例えば、1株を2株に分割するなど。これによりそれぞれの株主の株式数は2倍になり、1株の価値は半分になりますが、資産価値は変わりません。

 

株式分割における注意点

株式分割をすると、発行済株式総数も増加しますので、公開会社においては発行可能株式総数と発行済株式総数との間にある4倍ルールに注意する必要があります(発行可能株式総数は発行済株式総数の4倍を超えてはいけない)。

 

株式分割のメリット

株式分割により株価は引き下げられますので、流動性が高まります。

 

株式分割の決議機関と内容

株式分割の決議機関は、株主総会普通決議、取締役会設置会社では取締役会の決議になります。

株式分割の決議内容

  1. 対象株式の分割比率と基準日
  2. 効力発生日
  3. 種類株式発行会社では分割する株式の種類

※株式分割の決議において、いつの時点の株主に株式を割り当てるかを決める基準日を定めます。この基準日に株主名簿に記載されている株主に無償で株式が割り当てられます。

 

株式分割による発行可能株式総数の増加

会社設立の際に定款に記載した発行可能株式総数を変更する場合、通常、株主総会特別決議で定款変更決議を行い、発行可能株式総数を増加させる必要があります(公開会社では4倍ルールに注意)。例えば、発行可能株式総数が1000株、発行済株式総数が500株の時、1株を3株に分割した場合、発行済株式総数が1500株になり、発行可能株式総数を超えてしまいます(枠外発行と言います)。

ただし、株式分割の際の発行可能株式総数の増加については、株式分割の分割比率を乗じた株式数の範囲内(上記の例でいうと、1株を3株に分割しているので分割比率は3倍。この分割比率の3倍を発行可能株式総数の1000に乗じ、3000とします。つまり、3000株以内)であれば、株主総会特別決議を開かずに、取締役非設置会社では取締役の過半数一致、取締役会設置会社では取締役会の決議で発行可能株式総数を増加させることができます)。

 

株式分割による発行可能株式総数の増加において株主総会特別決議が必要になる場合

種類株式発行会社(2種類以上の株式を発行している)において、例えば、乙種株式を株式分割により分割割合をもって発行可能株式総数を増加させた場合、その発行可能株式総数には甲種株式も含むため、単純に発行可能株式総数に反映させるのは間違いです。よって株主総会特別決議を要します。

 

ある種類の株主総会特別決議を省略できる場合

種類株式発行会社において、A種類の株式1株を10株に分割した場合、取締役会又は株主総会決議に加え、他の種類株式のそれぞれで種類株主総会特別決議を開催する必要があります。しかし、定款に「322条2項に規定する種類株主総会に関する定め」が他の種類株式に設けられている場合、種類株主総会特別決議を省略できます。322条2項の規定がない場合は、種類株主総会特別決議がなければ株式分割の効力が生じません。

 

株主への広告

会社は株式分割の旨を基準日の2週間前までに公告をします。株券発行会社においては、株式分割の効力発生後、速やかに株券を発行します。

 

基準日の設定

株式分割は株主総会普通決議あるいは取締役会設置会社では取締役の決議によって基準日を設定し、基準日の2週間前までに株主に公告をします。この基準日の設定は、株式分割以外でも行われます。

 

定時株主総会における基準日の設定

会社は、「決算期を基準日に株主名簿に記載されている株主は定時株主総会で権利行使可能な株主とする」など定款に定めることができます。また定款に定めた場合、株主への公告は不要です。一方、定めていない場合、基準日の2週間前までに基準日と行使できる権利の内容を公告する必要があります。効力は基準日から3カ月なので、それまでに定時株主総会を開く必要があります。当然、基準日後に株主になった者に権利は与えられませんが、会社が基準日後に新しい株式を発行した場合は特例として議決権の行使が認められます。

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