株式無償割当
株式無償割当とは、その名の通り無償で株式を株主に割り当てることを言います。会社は主に出資額に応じて出資者(株主)に株式を割り当てていますが、株主無償割当は、株主全員あるいは特定の種類株主全員に対し平等(株主の持ち株の比率による)に株式を割り当てます。株主無償割当は会社が持つ自己株に対しては適用されません。
株式分割と株式無償割当
株式無償割当は、無償で株主が有する株式が増加する点んいおいて株式分割と同様ですが、以下の点で異なります。
株式無償割当
- 自社株(自己株式)は無償割当の対象外である
- 対象株主に、自己株式を割り当てることができる
- 同じ種類および異なる種類の株式を割り当てることができる
株式分割
- 分割されるのは対象株式のみである。
- 自社株(自己株式)も株式分割により増加する
- 自己株を他の株主に割り当てることはできない
株式分割の決議機関と内容
株式無償割当の決議機関は、株主総会普通決議、取締役会設置会社では取締役会の決議になります。定款に別段の定めがある場合はこの限りではない。
株式無償割当の決議内容
- 割り当てる株式の数(種類株式発行会社においては、種類ごとの数)
- 効力発生日
- 種類株式発行会社では無償割当する株式の種類
※株式会社は割り当てを受けた株主に株式の数を効力発生日後に通知します。
ある種類の株主総会特別決議を省略できる場合
A種、B種の株式を発行している種類株式発行会社において、A種の株主にB種株式2株を無償割当する場合、取締役会又は株主総会決議に加え、割り当てを受けられないB種の種類株主総会特別決議を開催する必要があります(割り当てを受けられないB種に損害を及ぼす可能性があるためです)。しかし、定款に「322条2項に規定する種類株主総会に関する定め」が他の種類株式に設けられている場合、種類株主総会特別決議を省略できます。322条2項の規定がない場合は、種類株主総会特別決議がなければ株式無償割当の効力が生じません。