会社法

株式売渡請求

相続人等に対する株式売渡請求

相続等があった場合、会社は定款に規定していれば、該当株式の売り渡しを請求できます。そうすることで、株式が会社にとって不都合な人物の手(敵対する企業の人間など)に渡ることを防げます。

 

決議機関

決議機関は、株主総会特別決議になります。これは、特定の人から株式を取得することになり、株主平等原則に抵触する可能性があるからです。決議内容は、①株式の数、②対象者の氏名又は名称になります。対象株主は株主総会において議決権を行使できません。決議内容の承認後、売渡請求が可能になりますが、会社はいつでもこれを撤回することもできます。また、相続などがあった時から1年を経過したときは、売渡請求はできません。

 

売買価格

売買価格は、会社と対象者間との協議で決めます(対価は分配可能額を超えてはいけませんn)。ただし、不服がある場合は、裁判所に対し売買価格の決定の申立てを行うことができます。期限は、売り渡し請求のあった日から20日以内です。

 

特別支配株主の株式売渡請求

特別支配株主とは、株式会社において総株主の議決権(株式)の90%以上を有する株主のことです。会社法(2014年改正)は、特別支配株主に残りの株式を売り渡すことを請求できる株式売渡請求を認めています。特別支配株主は他の少数株主を排除し、会社の支配権を100%手にすることが可能になりました。

 

株式売渡請求をする際の流れ

step
1
特別支配株主がすること

  1. 1株あたりの購入金額と株主への割り当てに関する決定
  2. 決定事項について承認をもらうため、当該会社へ決定事項を通知

step
2
当該会社がすること

  1. 承認の場合、株式取得日の20日前までに該当する株主に通知
    (この通知は、特別支配株主がしたものとみなされる)

※価格に納得がいかない場合、株主は裁判所に価格決定の申立てをすることができます。期間は取得日の20日前から前日までです。

step
3
価格に対する合意または裁判所により決定

特別支配株主は取得日に絶対的に全株式を取得します。

 

まとめ

譲渡制限株式の有償取得

非公開会社において、会社は特定株主との合意により相続された譲渡制限株式を取得できる(取得について定款の規定は不要)。決議機関は株主総会特別決議で(対象株主は議決権行使不可)、財源が確保されるたびに、会社は当該株式を購入できます。ただし、期間は相続人が議決権を行使するまでになります。

 

譲渡制限株式の売渡請求

公開、非公開を問わず、会社は強制的に相続された譲渡制限株式を取得できる(売渡請求できる旨、定款の定めを要する)。決議機関は株主総会特別決議で(対象株主は議決行使不可)、請求期間は会社が相続等を知ったときから1年以内になります。

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