会社法

取得請求、取得条項、全部取得条項付株式

取得請求権付株式

取得請求権付株式とは、株主が会社に対して株式の買い取りを請求できる権利が付いた株式のことです。

 

請求により生じること

  1. 株式の取得
    会社は株主から請求があった日に株式を取得する。
  2. 対価の取得
    株主は対価として定款に定められたものを取得する。
    社債、新株予約権、新株予約権付社債、自社株式、金銭(時価)、種類株式発行会社においては他の株式
    ※時価である場合、会社に分配可能額がなければ請求できない。
  3. 株券の提出
    株券が発行されている場合は、請求の際に株券を会社に提出する。

 

取得条項付株式

取得条項付株式とは、定款で定めたある一定の自由が生じた場合に会社が株主の同意なしで、強制的に株式の全部または一部を取得する(買い取る)ことができる株式のことです。株券発行会社においては、取得条項付株式の取得日の1カ月前までに株券を提出する旨を広告し、かつ該当する株主及び登録質権者にはそれぞれに通知します(株券提供広告手続き)。株券を発行していない会社は不要です。

 

一定の事由とは

「一定の事由」の内容は、定款で幅広く定めることができ、例えば以下のようなものがあります。

  1. 株主が死亡した時
    相続により会社に不利益な株主に株式が渡ることを防げる。
  2. 創業者が死亡した時
  3. 会社が定める日が到来した時

 

定款に定める事項

  1. 一定の事由が生じた日に株式を取得すること
    定款に定めた一定の事由が生じた後、遅滞なく株主及び登録株式質権者に取得日を通知又は広告する。会社はその日に取得条項付株式を取得する。
  2. 一定の日の到来によって取得事由とする場合はその日付
    定款に別段の定めがない場合、別に定める日を株主総会(取締役会設置会社では、取締役会)で決議する。取得日の2週間前に株主及び登録株式質権者に取得日を通知又は広告する。
  3. 取得する株式が一部の場合はその旨と取得する株式の決定方法
    定款に別段の定めがない場合、株主総会(取締役会設置会社では、取締役会)で決議する。決議後、直ぐに株主及び登録株式質権者に取得日を通知又は広告する。
  4. 株式を取得するときに支払う対価の内容や金額、数の算定方法
    社債、新株予約権、新株予約権付社債、自社株式、金銭(時価)、種類株式発行会社においては他の株式
    ただし、株式以外を対価とする場合、分配可能額がなければならない。

 

株式取得日

一定の事由が生じた日。ただし一部を取得する定めがある場合、取得対象の株主及び登録株式質権者に決議後、直ぐに行う通知又は広告から2週間経過した日と一定の事由が生じた日のいずれか遅い日が取得日となります。

 

全部取得条項付株式の取得

全部取得条項付株式とは、株主総会特別決議によって全株式を取得することができる株式のことで、種類株式発行会社に限られます。最初から全部取得条項が付けられているのではなく、株主総会特別決議で決議後、定款変更し、全部取得条項付株式とします。株券発行会社においては、取得条項付株式の取得日の1カ月前までに株券を提出する旨を広告し、かつ該当する株主及び登録質権者にはそれぞれに通知します(株券提供広告手続き)。株券を発行していない会社は不要です。

 

株主総会特別決議の内容

  1. 取得の際に支払う対価
    社債、新株予約権、新株予約権付社債、自社株式、金銭(時価)、種類株式発行会社においては他の株式
    ただし、株式以外を対価とする場合、分配可能額がなければならない。
  2. 取得対価の割り当てについて
  3. 取得日

 

全部取得条項付種類株式を用いた例

特別支配株主が他の少数株主を追い出して、株式を100%取得する場合

  1. 特別支配株主が株主総会特別決議で他の株主の株式を種類株式に変更する。
    (特別支配株主は株式を90%以上保有しているので、定款変更の際の3分の2以上の賛成を一人でクリアできる)。
  2. 特別支配株主が種類株式に全部取得条項を付ける。
    (この場合も定款変更が必要なので、株主総会特別決議を要します)
  3. 特別支配株主が株主総会で他の株主の持つ株の全部取得を決定する。
  4. 会社が取得した他の株主の株を、消却させる。

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