会社法

株式会社の解散と清算

株式会社の解散と清算

「解散と清算」とは会社の解散事由の発生後、①会社は営業活動を止め、②清算手続き(債権債務の整理)を行い、会社を消滅させる手続きのことです。生産手続終了のことを清算結了と言います。

ポイント

解散事由

  1. 定款で定めた存続期間の満了
  2. 定款で定めた解散事由の発生
  3. 株主総会の特別決議
  4. 合併に伴う消滅
  5. 破産手続き開始の決定
  6. 休眠会社のみなし解散
  7. 裁判所による解散命令

 

休眠会社のみなし解散

休眠会社とは最後の登記から12年間を経過している会社のことです。法務局から休眠会社への通知等に対し2ヵ月以内に事業を廃止していない旨の届け出をしない場合、会社は解散したものとみなされます。みなし解散になれば、登記官が職権でみなし解散の登記を実行しますが、この登記後3年以内に株主総会特別決議により会社継続の手続きをとれば、元の状態に戻ります。

 

合併に伴う消滅と破産手続き開始の決定による解散

合併と破産手続き開始の決定により解散した株式会社は、清算手続きに入ります。会社の権利能力は縮小し、取締役の権限も消失します。これ以降、清算人が生産株式会社の業務を執行していきます。

メモ

清算中の会社(清算株式会社)ができること

  • 本店移転
  • 自己株式の無償取得
    剰余金の配当や自己株の有償取得はできません。
  • 株式の発行
    出資者は一般投資家ではありません。募集株式を発行し、親会社に購入してもらいます。
  • 社債の発行
    社債を発行し、親会社から資金調達をします。

 

存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会特別決議による解散

解散事由が存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会特別決議による解散の場合、株式会社は清算結了前までなら、株主総会特別決議により会社を継続することができます。

※破産や裁判所の解散命令による場合、その会社は継続することができません。裁判所書記官の嘱託により、破産手続き開始の登記と解散登記が行われます。

 

清算株式会社

清算株式会社には、株主総会と清算人が存在します。

 

清算人の選任

清算株式会社は、1名あるいは2名以上の清算人を置く必要があり、清算人会を置く場合(定款記載事項)は3名以上の清算人を要します。

ポイント

清算人の選任

  1. 定款に定めがある場合は、定款で定めた者
  2. 株主総会で清算人を選任したときは、その者
    定款で定足数を3分の1未満にすることができます。累積投票は認められません。
  3. 定款に定めがなく、また株主総会においても清算人を選任しなかった場合、解散時の取締役が清算人になります(法定清算人)。
  4. 上記において清算人となる者がいない場合、利害関係人の申立てにより裁判所に選任された者

 

清算人になれない者

基本的に取締役の場合と同様です。ただし、取締役の場合と異なり、公開会社でも定款により清算人を株主に限定することができます。また、清算会社の監査役が、その会社および子会社の清算人を兼任することはできません。

清算人の欠格事由

  1. 法人
  2. 会社法関連法令違反や、刑に処せられた者
    会社法上の罪に問われた場合、執行猶予中の者または刑の執行終了から2年間は取締役になれません。他の罪(窃盗罪など)に問われた場合、禁錮以上の刑の者は取締役になれません(刑が終了すれば取締役になることは可能です)。

 

清算人の退任

退任についても取締役と同様ですが、清算人には任期の定めがないことに注意です。清算人の解任は、いつでも株主総会普通決議で解任することができます(ただし裁判所が選任した者を除きます)。

 

清算人の職務

清算人の職務

  1. 現務の結了
    解散時に会社の事業活動が完結していない場合、締結している契約の履行および解約などを行います。※同時に財産目録や貸借対照表の作成をします。
  2. 債権の取立ておよび債務の弁済、残余財産の分配
    会社にある債権の回収、財産の売却などを行い、会社が持っている債務を返済します。
    このとき、債権者に対し、一定の期間内(2ヵ月以上)にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、知れている債権者にこれを催告する必要があります。2ヵ月以内に届け出をしない場合は除籍され、残余財産の分配後に残った財産について分配されることになります(ただし知れたる債権者を除きます)。
  3. 残余財産の分配
    上記②を行った後に残ったお金を株主に分配します。残余財産の分配は一定の場合を除き、会社債務を弁済した後に、各株主の有する株式の数に応じて株主に分配されます。※残余財産が金銭以外の場合は、株主は金銭分配請求権を有します。

※清算人は清算開始日における①財産目録と②貸借対照表を作成し、株主総会(清算人会設置会社にあっては清算人会)の承認を得る必要があります。また、各清算事業年度における①貸借対照表と②事務報告、③付属明細書について、監査役の監査などを受け、定時株主総会で報告する必要があります。

 

清算人会設置

清算人会を置くためには、定款にその旨を定める必要があります(取締役会がそのまま引き継がれるわけではありません)。監査役会を置く旨の定款の定めがある清算株式会社は清算人会を置く必要があります。

※取締役会と同様、業務執行については清算人の過半数の出席および出席した清算人の過半数をもって行います。

 

清算株式会社の代表

ポイント

清算人会非設置会社

  • 清算人が清算株式会社を代表します。
  • 定款で名指し、定款の定めに基づく清算人の互選、株主総会決議により、清算人の中から代表清算人を定めることもできます。
  • 取締役が清算人になる場合において(法定清算人)、代表取締役を定めていたときは、代表取締役が代表清算人になります(法定代表清算人)。

 

清算の結了

清算事務の終了後、株式会社は遅滞なく、法務省令で定めるところにより決算報告を作成し(清算人会設置会社にあっては清算人会の承認を受ける)、決算報告を株主総会に提出してその承認を受ける必要があります。承認後、会社の法人格の消滅となります。

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