会社法

株券

株券とは

株券とは株式を表章する有価証券のことです。株券は株式を目に見える形にし、取り引きや株式譲渡を容易にする役割を持っていますが、近年はペーパーレス化もあり株券不発行が原則となっています。また株券は盗人から善意無重過失の第三者に渡れば、善意取得が適用され、第三者の者になり、手元に株券を置いておくのも危険と言えます。非公開会社においては株主から株券を請求されるまで発行しなくても良いとなっています。株券を発行する場合は、定款に「株券を発行する旨の定め」を規定する必要があります。株券発行会社では、株式発行日以後遅滞なく株券の発行を要します。

※復習:株券不発行会社の株式譲渡は、譲渡人と譲受人間の意思表示で効力が生じ、会社および第三者に対する対抗要件は株主名簿の名義書き換えです。株主は株主名簿の記載事項に関する書面の提供を請求でき、それを第三者に提示することで対抗できます。一方、株券発行会社では株券(占有していること)が同様の効果を持ちます。

 

株券不所持の制度

株券不所持の制度とは、既発行株券がある場合にそれが無効になる制度です(株券不所持の申し出は株券発行前でもできます)。株券発行後に株券不所持の申し出をする場合は会社へ株券の提出が必要になります(会社は株券不発行であることを株主名簿に記載します)。株券がなくても、株主名簿に氏名又は名称の記載(会社への対抗要件)があれば、株主としての権利を行使することができます。

 

株券発行会社における株式の譲渡

株券発行会社において、株式譲渡をするには株券の交付が必要になります。もし、株券不所持の申し出をした場合でもいつでも株券発行請求をすることが可能です。株券発行請求が初めての場合の費用は会社負担で、再度の株券発行の場合の費用は株主負担になります。

※株券不発行会社において、株式譲渡は譲渡人と譲受人間の合意のみで効力を持ちます。

 

株券失効制度

株券失効制度とは、株券喪失者が喪失した株券について無効にするための制度です。以下のようなステップを経て、株券の再発行を受けます。

 

step
1
株券喪失登録の請求


株券喪失者が会社に対して請求します。

step
2
株券喪失登録簿に記載


会社が株券喪失登録簿に株主の氏名など必要事項を記載します。

step
3
1年経過後に株券の再発行


1年経過すると、株券喪失登録された株券は失効し、株券発行会社は株主に株券を再発行します。

 

株主名簿に登録されていない者から株券喪失登録の請求があった場合

株主名簿に登録されている者を甲、されていない者を乙とします。

step
1
株券喪失登録の請求


乙が会社に対して請求します。

step
2
株主名簿に登録されている甲に通知


会社が甲に通知します。株券の所持者が乙であるなら、甲は返答しなくても良い(会社は乙の株券喪失登録の請求を受け入れます)。しかし、所持者が甲の場合は以下のようになります。

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3
株券喪失登録請求の抹消の申請


甲が株券喪失登録請求の抹消の申請をします。

step
4
乙に通知


会社は乙に甲から株券喪失登録請求の抹消の申請があったことを通知します。

step
5
2週間経過後


乙が何も言わなければ、会社は株券喪失登録を抹消します。もし、乙に何か言い分がある場合は登録抹消差止請求も可能です。

 

株券発行会社では、株券の交付が株式譲渡の効力要件であり、株券の占有者は株主であると推定されます。上記でも示したように株券は善意取得が認められているため、善意無重過失(悪意または重過失のない)の第三者が無権利者(盗人など)から株券を取得した場合も有効であるとされる。盗難にあった場合はすぐに株券喪失登録の請求する必要がある。例えば、盗まれた者が株券喪失登録を請求していた場合、株券を善意取得した者が会社に名義書き換えに来たときに、会社は名義書き換えに来た者に「株券喪失登録の請求がある株券」であることと「株券喪失登録抹消請求」をすることを教えます。それにより、盗まれた者へ通知が行くので、株券が不用意に取得されるのを防ぐことができます。

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