会社法

株式についての基礎知識

株式 

株式とは、株式会社における社員の地位のことをいい、株式を有する社員は、会社から 経済的利益を受けたり(自益権)、会社の経営に参加する権利(共益権)を与えられる。

  • 自益権・・・剰余金配当請求権や残余財産分配請求権 
  • 共益権・・・議決権、株式会社の役員の解任請求権、取締役の違法行為差止請求権 

 

株式を他者と共有している場合

株式の共有者は、共有者の中から1名の権利行使者を定め、会社に氏名または名称を通知する必要があります。会社は株主総会の招集通知などの通知をその者に送付すれば良いということになります(もし権利行使者が通知されていない場合は、共有者の一人に任意に送付する)。剰余金の配当については当然に全員に分配されます。

権利行使者の決定は、共有者の持分の価格に従い、その過半数をもって決め、共有株式を譲渡する場合は、共有者全員の同意が必要になります(共有物の変更行為として民法の規定が適用されます)。

 

利益供与の禁止

会社は利益供与により株主の権利行使(自益権や共益権)を操作してはいけない。つまり、会社が株主に金銭を支払い、株主総会における議決権を操作したり、発言を控えるなどの要求をしてはいけないということです。もちろん、金銭のみではなく会社の持ち物を安い価格で提供することも禁止されており、これは株主だけでなくその家族に対しても規制の対象になります。

メモ

利益供与を禁止することで、会社財産の浪費が防止されます。また会議の進行を妨げる総会屋の活動の防止にもつながります。

※取締役などが自分の計算(財産)で利益供与をする分については許されています。

 

利益供与の禁止例

A会社がB会社(発行済株式総数600株)の株式を301株持っている場合、議決権の過半数を有しているA会社を親会社、持たれているB会社を子会社と言います。議決権の過半数を有している親会社は、子会社の会議で大きな発言力を持つことになります。結果として言いなりにならざるを得ないという予想がされます。

では、親会社が自分の会社の株主に利益供与をすることは禁止されていますが、言いなりである子会社に頼んだ場合はどうでしょうか?

答えは、親会社が子会社に対し、子会社の金銭で親会社の株主に利益供与を命じることは禁止されています。

 

利益供与をしてしまった場合

利益供与を受けた者は、知らなかったとしても受領した財産を会社に返還する義務を負います。利益供与に関与した取締役や執行役もまた連帯してその財産に相当する金銭を支払う義務を負います。ただし、関与のみである場合、注意を怠らなかったことの証明ができれば義務を免れることができるが、利益供与を行った取締役や執行役は、無過失を証明しても責任を免れることはできません。利益供与を受けた者と実行した者に対して、株主は提訴請求及び利益の返還を求める訴えをすることが認められています(株主代表訴訟)。

 

利益供与に対する刑事罰

利益供与を行った者は利益供与罪に問われ、受け取った者は利益受供与罪に問われます。さらに利益供与を要求した者に対しては利益供与要求罪が適用されます。

 

株主平等原則

原則、同じ株式数を持つ株主を平等に扱う必要がありますが、以下においては差別化を認めている。

種類株式

会社法は、定款に記載することにより内容の異なる株式(種類株式)を発行することを認めています。

司法書士試験_会社法
種類株式と種類株式の内容

種類株式 会社法は、定款に記載することにより内容の異なる株式(種類株式)を発行することを認めています。例えば、A種株式の剰余金配当をB種株式に優先する(剰余金配当優先株式)。このようにA種とB種株式で ...

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非公開会社

非公開会社においては会社と株主との関係が緊密になりやすいため、株式数よりも人による差別化を可能にしています。例えば、非公開の会社にとってメリットのある人物には以下の項目について定款に定めれば、差別化ができます。

  1. 剰余金の配当を受ける権利
  2. 残余財産の分配を受ける権利
  3. 株主総会における議決権数

少数株主権

少数株主権もまた、株主平等原則の違反に抵触する可能性があるが、会社法により認められている。少数株主権は、株主保有期間や議決権総数と発行済株式総数に対して一定数以上の株式を保有する株主が行使できる権利のことです。

少数株主権の内容

  1. 解散の訴えの提起
    保有期間:無、議決権:10%以上、発行済株式総数:10%以上
  2. 会社の業務及び財産の状況の調査のための検査役選任請求権
    保有期間:無、議決権:3%以上、発行済株式総数:3%以上
  3. 会計帳簿、資料の閲覧、謄写請求権
    保有期間:無、議決権:3%以上、発行済株式総数:3%以上
  4. 公開会社における特定引受人による募集株式、募集新株予約権の引き受けの承認請求
    保有期間:無、議決権:10%以上
  5. 株主総会の招集請求権、招集権
    保有期間:6カ月、議決権:3%以上
  6. 清算人の解任請求権
    保有期間:6カ月、議決権:3%以上、発行済株式総数:3%以上
  7. 役員(取締役、会計参与、監査役)の解任請求の訴え提起権
    保有期間:6カ月、議決権:3%以上、発行済株式総数:3%以上
  8. 株主総会の招集手続等に関する検査役の選任請求権
    保有期間:6カ月、議決権:1%以上
  9. 株主総会の議題追加請求権
    保有期間:6カ月、議決権:1%以上又は300個以上
  10. 議案の要領の通知請求権
    保有期間:6カ月、議決権:1%以上又は300個以上
  11. 特定責任追及の訴えの提起請求権、提起権
    保有期間:6カ月、議決権:1%以上、発行済株式総数:1%以上

 

  1. 解散の訴えの提起
    会社が業務執行において著しく困難な状況に至り、回復不可能な損害が生じ、または生ずるおそれがあるときや、財産の管理等が不当で、会社存続が危うくなったとき、少数株主は訴えにより株式会社の解散を請求することができます。
  2. 会社の業務及び財産の状況の調査のための検査役選任請求権
    会社の業務執行において、不正行為や法令もしくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足る事由があるとき、少数株主は会社の業務及び財産状況を調査させるため、裁判所に対して検査役の選任の申立てをすることができます。裁判所は不適法として却下する場合を除き、検査役を選任する必要があります。
  3. 会計帳簿、資料の閲覧、謄写請求権
    会社の営業時間内において、少数株主は請求の理由を明示し、会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧または謄写請求をすることができます。ただし、会社は正当な事由があるときは、この請求を拒否することができます。
  4. 公開会社における特定引受人による募集株式、募集新株予約権の引き受けの承認請求
  5. 株主総会の招集請求権、招集権
    株主総会は原則、取締役が招集するが、少数株主が取締役に対し、株主総会の目的と招集理由を記載した書面を提出することで、株主総会の招集を請求することができます。請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合は、裁判所の許可を得て、少数株主自ら株主総会を招集することができます。
  6. 清算人の解任請求権
  7. 役員(取締役、会計参与、監査役)の解任請求の訴え提起権
    役員の職務執行において不正行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき、少数株主は当該株主総会の日から30日以内に、当該役員の解任を請求することができます。
  8. 株主総会の招集手続等に関する検査役の選任請求権
  9. 株主総会の議題追加請求権
  10. 議案の要領の通知請求権
  11. 特定責任追及の訴えの提起請求権、提起権

 

まとめ

今回は、株式についてざっくりまとめました。少数株主の箇所はちょっと難しいですね。試験日までに覚えられるかどうか。。。

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