会社法

会社法と会社についての基礎知識

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会社法

【はじめに】

司法書士試験を受けるための基礎知識を得ることを目的として、ここでは会社法と会社についてまとめています。

 

会社の規模が大きくなれば、国にとって税収入などのメリットが増加します。そのため、会社が利益を追求しやすい法整備を整えることが求められる。しかし、会社が利益追求ばかりに目をむけると、会社に出資した株主や会社と取り引きをした債権者に不利益を与える。このような背景から、会社法は利益追求や株主と債権者保護に焦点を当てた法整備が進められてきています。

会社法の特徴

  • 利益追求
  • 株主や債権者の保護

 

会社

会社の分類

会社法により規定されている会社は、以下の4つに分類されています。

株式会社/合名会社/合資会社/合同会社

 

会社の特徴

会社は営利社団法人であり、その名の通り社団性、法人性、営利性を持っています。

社団性

社団とは、共通の目的のために集まった団体(人の集まり=出資者)のことであり、会社はすべて社団であると言えます。

※出資者は、株主のことであり、社員のことです。

※財産の集まりを財団といいます。

 

法人性

会社は法人であり、自然人同様、権利能力の主体となれます。そのため、責任財産を形成することができ、債務不履行に陥ったときにはこの財産が差し押さえの対象となります。

問題

Q. 債務者Aが債権者Bから財産を強制執行される前に、債務者Aがブログ会社を設立し、この会社に全財産を出資した場合、債務者Bはブログ会社に移動した債務者Aの財産を強制執行できるか?

A.  強制執行可能

解説.  形式的にはブログ会社は法人格を取得するため、債務者Aとは別人格になります。しかし、これは財産隠しのための会社設立に当たるため、法は債務者Aとブログ会社が別人格であることを否定し、同一として扱います。このことを法人格否認の法理と言います。

 

営利性

会社は以下のことを目的とする団体です。

営利性

  • 対外的活動により収益の増大を図る
  • 収益を株主(構成員)に分配する(剰余金の配当)

 

それぞれの会社における社員の責任

会社の種類は、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社と4種類あり、会社に対して持つ社員の責任が異なってきます。ここでいう社員の責任とは、会社の借金に対する責任という意味です。

社員の責任の取り方

  1. 間接有限責任社員・・・株式会社・合同会社
    債権者の取立先は会社であり(間接)、社員の出資金(有限)が借金の弁済にあてられます。
  2. 直接無限責任社員・・・合名会社
    債務者の取立先は会社のみならず社員にも請求あるいは強制執行でき(直接)、会社に借金がある限り、限度なく取り立てられます(無限)。
  3. 直接無限責任社員と直接有限責任社員・・・合資会社
    株式会社では出資金の払い込みが完了していなければ株主になれないが、合資会社では未履行でも社員になれます。直接有限社員において、出資未履行のときは債権者から出資額を限度に直接請求や強制執行されます。一方、履行済みの場合は直接的な回収はありません。
    (※合資会社において出資額は定款の記載事項である)

 

社員権

社員権とは会社の社員としての地位を表します(例えば、株主総会における議決権を持つ、剰余金配当請求権を持つなど権利義務)。社員権は、株式会社では株式ですし、持分会社(合名会社、合資会社、合同会社の総称)では持分になります。

 

株式会社における株式

株主の出資金額により株式数は変化し、出資金が多いほど行使できる権利義務も増加します。例えば、1株が1000円の株式の場合、行使可能な権利義務は50株(5万円)よりも100株(10万円)の方が大きい。権利義務とは、例えば、剰余金の配当を受ける権利、残余財産の分配を受ける権利、株主総会における議決権があります。

 

メモ

所有と経営の分離

株式会社において所有者である株主は、経営に関与するというよりもキャピタルゲインを目的とする者が多く、株主の流動性も大きい。そのため会社の経営は原則、株主総会で株主によって選出された取締役が行う仕組みになっています。

 

持分会社における持分

持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)は、出資金額により持分数は変化しません。

(※議決権が出資額に応じて変動するという規定はないが、残余財産の分配んいついては株式会社と同様の側面があります)

 

メモ

所有と経営の一致

合名会社の社員の責任は、会社の種類の中でも最も重いため(直接無限責任)、社員も会社経営に当然に参加しています。

 

会社に対する信用

会社の信用がなければ、社員(株主)を増やすことや、取り引きをすることができません。では、その信用はどこにあるのかについて見ていきます。

会社に対する信用

  • 合名会社、合資会社・・・人
    これらの会社には無限責任社員がおり、この社員の信用がなければ成立しません。合名会社と合資会社を人的会社と言います。
  • 株式会社・・・財産(物)
    株主は間接有限責任社員であるため、会社の財産が重要になります。取り引きをする上では会社の財産が信用の判断基準となる。

※株式会社は資本金と負債総額の大きさにより、大会社とそうでない会社とに分類されます。大会社は、資本金が5億円以上、又は負債総額が200億円以上、あるいはその両方を満たす会社のことです。このような会社ではお金の管理を厳しくする必要があるため、会計監査の設置が必須になります。

 

公開会社と非公開会社

  • 非公開会社・・・全ての株式に譲渡制限規定が付いています。
    株式の譲渡とは、その者が持つ社員の地位を譲渡するという意味を持ちます。非公開会社は閉鎖的であるため、見ず知らずの人に株を持たれないよう、譲渡制限規定を付け、譲渡の際は株主総会の特別決議で承認されなければなりません。
  • 公開会社・・・基本的に株式の譲渡制限について規定はありません。
    ただし、種類株式発行会社においては、ある種類の株式のみ譲渡制限規定を設けるなど定款に定めることができます。この株式を譲渡する場合は、取締役会の承認を要します。

 

資本金

資本金とは、払い込みまたは給付された財産の総額です。例えば資本金1億円の場合、会社は常に1億円の財産(金銭や不動産、動産のいずれでもかまわない)を保有しなければなりません(資本維持の原則)。資本既維持の原則により会社債権者は保護されています。株主への剰余金配当はこの資本を維持しつつ、それを上回ったお金(剰余金)を配当にあてなければなりません。資本金は定款記載事項であり、資本金の額を任意に減少させることはできません(資本不変の原則)。

 

まとめ

会社法と会社について基礎的な事項についてまとめています。今回は第1回目、今後も更新しようと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

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